2024.06.05
茨城県の DX ハイスクール指定校の見学に行ってきました!
茨城県の DX ハイスクール指定校の見学に行ってきました!
文部科学省が進める「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」。
指定された高校に、高性能PCなどデジタルを活用した課外活動・授業を実施するための設備を配備するために、国が主導して進めているプロジェクトです。
全国1010校の高等学校がこのプロジェクトに採択され、環境構築を進めています。
「一体、どんな学習環境が築かれ、どんな授業が行われているのか?」
5月30日(木)に、茨城県のDXハイスクール指定校である茨城県立IT未来高等学校の学習環境、そして授業の様子を見学に行ってまいりました。
創りたいものを思いのままに
2023年4月に開校された茨城県立IT未来高等学校。茨城県内初のIT科(募集定員80名)を設置し、昼間2部制の定時制単位制課程という、全国的にも珍しい教育課程を採用しています。
専門教科情報科のみの専科高等学校であり、「充実したICT環境と、それらを積極的に活用した学び方の工夫が特徴である」とのこと。
美しい緑に囲まれた自然豊かな場所に校舎があり、落ち着いた環境の中で生徒たちは最先端のIT技術を学ぶことができるのです。
「創りたいものを思いのままに」というコンセプトの基、 Adobe Creative Cloud、Microsoft 365、Google Workspace for Education など目的に応じて必要なソフトウェアを使える環境が整っている。
校長先生もおっしゃっていましたが、必要なツールを使いながら、生徒たちが自ら考え学ぶことができる環境がしっかりと整っているという印象でした。
生徒の自発性を引き出す教育活動
高校2年生の英語の授業を覗いてみると、生徒たちが各々のデバイスで黙々と何かをやっています。教室の前にはタイマーがセッティングされた電子黒板が…
この日は「スタサプDAY」とのことで、生徒一人ひとりがスタディサプリで各自の課題に取り組んだ後、それぞれが学びを報告し合うという活動を行っているようでした。
学習系クラウドサービスを効果的に活用することで、生徒自身が判断して必要な学びを選択していく。
もちろん、生徒に任せっぱなしにするのではなく、適切な方向に進めるように先生がサポートしたり、生徒同士で議論し合ったりするといった形が、今の子どもたちにとっては学びやすい形なのかもしれませんね!
また、探究学習の取り組みを伝えるポスターからは、生徒たちが日々学んでいるITの最新技術を使い、地域の課題解決や、最新技術を駆使した新たな価値創造につながる取り組みを行っている様子が伝わってきました。
SAMRモデルで言うところの「Redefinition(再定義)」になっていると感じました!
学びの環境をデザインする
学習環境は学びに大きな影響を与えます。
IT未来高等学校では、学習の目的ごとに使用するOSが違い(例えばデザイン系ならiOS、プログラミングは Windowsとのこと)、AR/VRゴーグル、3Dプリンターといった、学びの可能性を広げてくれるツールもしっかりと整っています。
また、創造性を刺激するような教室のデザインや、柔軟に組み合わせをデザインできる机やイスなど、生徒の学びを引き出す工夫が随所に見られました。
そして、渡り廊下に設置されていたオフィススマートショップ。
法人向け無人店舗が、なんと学校に設置されていたのです!
茨城県の公立高校でこの無人店舗を導入しているのは、IT未来高等学校のみであるとのこと。
無人店舗を置くことで生じる課題も想定される中で、「生徒を信頼しているから無人店舗を設定できる」とおっしゃっていた校長先生の言葉がとても印象的で、素晴らしいと思いました!
Society 5.0 時代の学校の形
わずかな滞在時間ではありましたが、IT未来高等学校には確かにSociety 5.0時代の学校の形がありました。
DXハイスクール指定校として、茨城県はもちろん、日本の高校のロールモデルになり、新たな学校の形を作り出してくださることでしょう。
VUCAの時代とも言われ、確かな正解のない不確実な時代の中で求められる力は、「生徒自らが考え課題を解決していく力」。そのためのICTツールであり、学習環境であるということを改めて学ばせていただいた一日でした。
今の時代を生きていくために必要な能力を育む学習環境と教育過程がデザインされている茨城県立IT未来高等学校。
今後の活躍が楽しみですね!